血糖値をコントロールするための食事法と調理法のポイント【管理栄養士監修】

血糖値をコントロールするイメージ 糖尿病

「血糖値を上げない食材を使っているのに効果がイマイチ」

「食べすぎないように朝食か昼食を抜こうかと考えている」

「糖質量が同じでも、パンとご飯で血糖値上昇に違いはあるの?」

糖尿病であれ、ダイエット目的であれ、血糖値の上昇を抑えるために、いろいろ悩みはますよね。

特に、糖尿病の方にとって、食事はただ食べるだけの単純な行為ではなく、治療でもあるわけですから切実ですからね。

食材の選び方や料理の工夫、食べ方によって、血糖値のコントロールや体調の管理が促進されるので、いろいろ悩まれるのは当然です。

そこで、ここでは、糖尿病の方の食事におけるさまざまなコツやポイントを解説していきます。

糖尿病における食べ方のコツや、メニュー選びのポイント、効果的な調理方法、食生活の助けとなるものなど、実践的な情報を提供します。食事を通じて糖尿病の方が健康を維持し、良質な生活を送るためのヒントをお伝えします。

食事に関わるさまざまな工夫を通じて、日々の生活の質を向上させましょう。

血糖値を上げないための食事法

糖尿病の方の食事療法は、血糖上昇を抑えることが最も重要な目的です。

そのためには、以下の項目を守ってください。

1日3食、規則正しく摂る

まず、食事を規則正しく摂ってください。1日3食しっかり食べることで、血糖値を安定させることができます。

食事の時間も一定にすれば、血糖のコントロールが良く、身体への負担が少なくなり、身体のリズムが整う優しい食べ方になります。

朝食を抜いたり、昼食を抜いたりして食事の回数を減らすと、その後の食事でまとめ食いやドカ食いになりやすく、血糖値が上がってしまうので止めてください。

朝食を抜く原因として、「夜遅くに食べたから」ということもありますよね。翌朝にお腹が空かないので朝食を抜いていると、生活のリズムが乱れ、さらに食のリズムの乱れにもつながってしまいます。

寝る2時間以上前には夕食は済ませよう心がけましょう。

夜遅い食事は避ける

夜遅い食事は別な弊害もあります。

夜遅い時間に食事をすることは、昼食を摂った後に時間が経ちすぎているわけですから、余計な空腹感を感じて、ついつい食べ過ぎてしまう危険性がありますよね。

夜遅くの食事で選ぶ食品やメニューは、炭水化物や脂質がメインのものを選びがちですからさらに問題です。

チャコ
チャコ

特に飲み会で飲んだ後に食べる夜中のラーメン、美味しいでからね。よくわかります。

ラーメンイメージ
この誘惑には勝てないか!?

そして、食後はほとんど運動せずに寝てしまうわけですから、エネルギーとして消費されずに脂肪として体に蓄積されて、体重増加という結果になるんです。

分食のすすめ

夕食があまりに遅くなるような場合は、「分食」という方法もありですよ。

「分食」というのは、食事を分割して摂ることで、食事の間隔を短くして帰宅後の過食を防ぐことができます。

それでも分食が難しい場合は、炭水化物の代わりに消化の良い低脂肪なたんぱく質や野菜を中心にしたメニューを選ぶことがおすすめです。

栄養バランス良くする|主食・主菜・副菜を揃える

糖尿病の方の食事では、栄養バランスを考えながら食べることが大切です。

主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることで、必要な栄養素を取り入れることができます。

穀物や野菜、豆類などの食物繊維を多く摂ることもポイントです。

和食イメージ
主食・主菜・副菜をバランスよく

食べ過ぎないように消費エネルギーを知る

糖尿病の方は、血糖値が急激に上昇しないように注意が必要ですから、何よりも食べすぎないことです。

血糖値が上がりすぎないように、現状の食べる量を減らすことを考えましょう。

ご飯であればお代わりをしない。または、お茶碗を小さなものに取り替えてみる、など試してみてください。

適度な運動を行うことで消費エネルギーを増やすことも有効です。

適正体重、消費エネルギー量、BMIなどについてはこちらの記事を参考にしてください。

アルコールはほどほどに

糖尿病の方がアルコールを飲む場合は、ほどほどに摂ることが大切です。

本当は禁酒をお勧めしたいのですが、栄養指導をしていても「それだけはできない」という人が多いですよね。

くれぐれも適量を守り、注意しながら飲んでください。

アルコールには糖分が含まれているため、過剰な摂取は血糖値の上昇を引き起こす可能性がありますよ。

アルコール類イメージ
お酒はほどほどに

血糖値を上げない食べる順番

血糖値を上げない食べる順番があります。血糖値を上げない食べる順番を考えることは、健康的な食事にとって重要なポイントです。

1. 野菜を最初に
野菜は低カロリーでありながら栄養価が高く、繊維質が豊富。これが消化を促進し、血糖値の急上昇を抑える役割を果たします。

2. たんぱく質を次に
肉や魚、豆腐などのたんぱく質は、血糖値の上昇を遅らせる効果があります。

3. 炭水化物を最後に
炭水化物は血糖値を上げる要因となるので、他の食品を先に食べることで、炭水化物による血糖値の急激な上昇を抑えることができます。

このような食べる順序を意識することで、血糖値のコントロールがしやすくなります。ただし、個人の体質や健康状態により効果が異なることもありますので、医師や栄養士と相談することも重要です。

消化を遅らせる食材を活用する

消化を遅らせることで、血糖値の上昇も緩やかになります。例えば、ネバネバした食材や酢、油を使った料理は、消化吸収を遅らせる効果がありますので、積極的に取り入れましょう。

糖質量だけでなく、低GIにも注目する

GI(グリセミックインデックス)は、食品の血糖値への影響を数値化したものです。

糖質量だけでなく、GIも低い食品を選ぶことで、血糖値の上昇を抑えることができます。例えば、白米よりも玄米や麦ごはんの方がGIが低いため、血糖値の上昇を抑えることができます。

低GI値についてはこちらの記事をご覧ください。

乳製品を活用する

乳製品には、たんぱく質や脂肪が含まれています。これらの成分は、血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。食事に乳製品を取り入れることで、血糖値の上昇を抑えることができます。

朝食は1日のエネルギー補給のスタートですから、血糖値を急激に上げないように注意しましょう。朝食には、食物繊維やたんぱく質をバランスよく摂ることが重要です。

朝食で血糖値をあげすぎないためにも、乳製品を活用しましょう。

よく噛み、ゆっくり食べて、腹八分目で

食事に臨む際には、集中して心を込めてよく噛んで、のんびりとお召し上がりください

食物を念入りにそしゃくすることで、唾液の分泌が増えて消化吸収が円滑になり、血糖値の急激な上昇を緩和することができます。また、満腹になる前のほどほどの量を摂ることも重要です。

糖尿病の方にとって、食事は非常に重要な治療法の一つです。食べ物や食べ方を工夫しながら、血糖値をコントロールするための食事療法を実践しましょう。それにより、体の健康状態を改善しましょう。

糖尿病の食事調理のコツ

糖尿病の方は食事を調理するときには、糖質を制限しようと、食材選びや調理方法、味付けに工夫を凝らしていることと思います。

加えて、調理時には調味料の使用量や糖分の摂取量にも注意し、糖尿病の管理に役立つ食事を摂ってください。

糖尿病患者さんの食事調理では、これらのポイントを念頭に置きながら、おいしく健康的なメニューを作り上げてください。以下に調理のコツを挙げておきます。

食材の選び方

糖尿病患者の食事では、炭水化物の摂取量を制限する必要があります。そのため、炭水化物の多い食材を控えることが大切です。

例えば、白米やパン、麺類などは糖質が多いので、代わりに玄米や雑穀、野菜を積極的に取り入れるようにしましょう。

また、食物繊維の多い食材も糖質の吸収を緩やかにするために有効です。

肉の下処理

肉を食材として利用する際には、下処理が重要です。肉の脂身や皮を取り除くことで、脂質やカロリーの摂取を抑えることができます

また、脂身の少ない部位や魚などの低脂肪なタンパク源を選ぶこともオススメです。

肉の下処理イメージ

塩分の摂取量を減らす調味料の工夫

糖尿病患者の食事では、塩分摂取量の制限も重要です。

調味料を工夫すれば味付けを楽しみながら塩分を抑えることができます。

例えば、減塩しょうゆや塩分の少ないだし汁、ハーブやスパイスを使って風味を加えることができます。

チャコ
チャコ

酸味や旨味のある食材をうまく利用することも、塩分を控える方法の一つ。おすすめは黒酢。

調理法の工夫

糖尿病患者の食事調理では、調理法にも工夫を凝らすことが重要です。

例えば、揚げ物、炒め物や焼き物ではなく、蒸す、網焼きにする、煮る、オーブン焼きなどの方法を選んで油分を取り除けば余分な脂質の摂取を避けることができます。

蒸し料理イメージ
野菜も蒸せば食べやすくなります

カロリーを抑える工夫

糖尿病患者の食事では、糖質の摂取量の制限も大切ですが、食事全体でのカロリーの摂取量も意識する必要があります。

具体的な工夫としては、

・油の使用量を控える

・煮汁やだし汁を活用する

・余分な糖分を使わない

などがあります。

また、食事の量や回数を適切に調整し、適度な運動も取り入れることで、カロリーの管理をおこなってください。

糖尿病の食事調理では、食材選びや調理方法、調味料の工夫などを通じて、健康的な食事を提供することが重要です。

食事制限がストレスとならないように、バリエーション豊かなメニューを取り入れることもポイントです。

糖尿病患者自身が食事の工夫を意識してください。バランスの取れた食事を心掛けることで、糖尿病を管理しましょう。

調理の負担を軽減する方法

糖尿病の食事療法では、自分に合ったカロリーと栄養バランスを考えながら食事を摂ってください。

でも、普通の食事の支度でもたいへんなのに、糖尿病の食事となればなおさら気を遣わなければなりませんから、調理が負担に感じることもありますよね。

何もかも全部自分でこなす必要はありません。そんなことをしていたら心が折れてしまいます。

無理はしないで、そんな場合には、食事の宅配サービスやレトルト食品・冷凍食品を利用してみましょう。

日々の食事の負担を軽減するためには、

・宅配サービスを利用する

・レトルト食品を上手に活用する

・コンビニの食材に助けてもらう

などの方法があります。

特に、治療食の宅配サービスは、管理栄養士が考案した様々なメニューが提供されており、冷凍やレトルトで届くので手軽に調理できます。

また、飽きのこない多彩なメニューが揃っているのも魅力です。仕事や家事に忙しい人でも、栄養バランスのとれた食事を楽に摂ることができます。

食事の制限や管理は、とても労力がかかり大変なこと。でも、宅配食サービスはたくさんの会社から提供されていて、どれが良いか迷ってしまいます。当ブログでは「メディカルフードサービス」の健康うちごはんをお勧めしています。

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宅配サービスの利用

調理の手間を省きながら、栄養バランスの取れた食事を摂るためには、宅配サービスが便利です。宅配サービスでは、自宅においしくてヘルシーな料理が届けられます。

多くの宅配サービスでは、糖尿病の食事療法に適したメニューも提供されています。自分に合ったカロリーや栄養バランスを考慮しながら、手軽に食事を摂ることができます。買い物や調理の手間を省くことで、負担を軽減できます。

レトルト食品を上手に活用する

レトルト食品は、買い物や調理の手間を大幅に省くことができる便利な食品です。糖尿病の食事療法に適した低糖質・低脂質のレトルト食品も多く販売されています。

これらの食品を上手に活用することで、手軽に栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。ただし、食品の成分表示をよく確認し、糖分や脂肪分の量を把握することが重要です。

コンビニの食事

忙しい日常生活の中で、外食やコンビニの利用は避けられないこともあるでしょう。しかし、コンビニでも糖尿病の食事療法に適した食事を選ぶことが可能です。

コンビニでは、サラダやおにぎり、お惣菜など、比較的ヘルシーな食品も取り揃えられています。

ただし、糖尿病の方にとっては炭水化物の摂取量に注意が必要ですので、食品の成分表をチェックしましょう。

コンビニイメージ
コンビニも使いようです

また、上記の方法に加えて、市販の低たんぱく質食品も活用することができます。低たんぱく質食品は、腎臓病などの食事療法を目的に開発された食品であり、たんぱく質の摂取量を調整することができます。

日々の食事の負担を軽減するためには、自宅での調理だけに頼るのではなく、宅配サービスやレトルト食品の利用、そしてコンビニの食事も上手に活用することが大切です。

食事療法をしっかりと守りながらも、手軽に続けられる方法を見つけて、健康な食生活を送ってください。

血糖値を上げない朝食

血糖値を上げない食事では、朝食の摂り方が健康にとってとても重要です。

血糖値が安定している状態を維持することは、体内のエネルギーバランスを整え、慢性疾患のリスクを軽減するために欠かせません。

朝食は一日の最初の食事であり、その内容や選び方によって血糖値の上昇度合いが大きく異なります。

家族で朝食のイメージ
朝食の摂り方が健康をさゆうします

血糖値を上げない朝食のポイント

血糖値を上げない朝食を選ぶためには、以下のポイントを意識しましょう。

炭水化物の種類と量を考える

炭水化物の中でも血糖値を急激に上げるものは、白米やパンなどの精製された穀物です。

代わりに、玄米や全粒粉のパン、オーツ麦などの低GI(血糖値上昇が緩やかな食品)の炭水化物を選びましょう。また、量も適度に摂るようにしましょう。

たんぱく質を摂る

たんぱく質は血糖値の上昇を抑える効果があります。朝食には、卵や豆腐、ヨーグルトなどのたんぱく質を含む食材を取り入れましょう。また、肉や魚も適度に摂ると良いでしょう。

食物繊維を意識する

食物繊維は消化吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。野菜や果物、穀物などの食物繊維を摂取することで、血糖値を安定させることができます。

血糖値を上げない朝食メニュー

血糖値を上げない朝食のメニューの一例をご紹介します。

玄米おかゆ

玄米を炊き込んだおかゆに、納豆や鮭のふりかけなどの具材を加えて食べると、炭水化物とたんぱく質をバランスよく摂ることができます。

野菜たっぷりサラダ

色とりどりの野菜をたっぷりと食べるサラダは、食物繊維を豊富に含んでいます。ドレッシングにはオリーブオイルやお醤油などを使い、シンプルに味付けしましょう。

オートミール

オートミールは低GIの炭水化物で、食物繊維も豊富です。ミルクやヨーグルト、果物と一緒に食べると、栄養バランスも良くなります。

オートミールイメージ
オートミールの調理法はさまざまあります

野菜スープと卵焼き

野菜たっぷりのスープに、卵焼きを添えて食べると、たんぱく質と食物繊維を一緒に摂ることができます。具材はお好みでアレンジしてみてください。

朝食にお勧めの食材

朝食に積極的に摂って欲しいお勧めの食材としては、以下のものがあります。

たんぱく質の代表的な食材であり、多様な料理に活用することができます。

野菜

色々な野菜を取り入れることで、栄養バランスを良くすることができます。朝食にサラダやスープを摂ると良いでしょう。

野菜スープイメージ
野菜スープ

魚類

魚類には健康に良い脂質やたんぱく質が含まれており、朝食には特におすすめです。鮭やマグロなどの魚を食べると良いでしょう。

ヨーグルト

ヨーグルトは消化吸収を緩やかにし、腸内環境を整える効果があります。朝食には自然な味のヨーグルトを選びましょう。

血糖値を上げない朝食を選ぶことで、一日のエネルギーバランスを整え、健康をサポートすることができます。ぜひ、上記のポイントやメニュー、食材の参考にして、朝食を有意義な時間にしましょう。



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