腎臓の健康を守る|アルコールの影響と摂取のコツ

腎臓とアルコールイメージ 腎臓病

「お酒が大好き。でも腎臓の健康も気になる。」そんなあなたへ、重要な情報をお伝えします。

アルコールは、社交的な場やリラックスするための手段として、多くの人に愛されてきますね。かく言う私もそのひとり。ついつい飲み過ぎて、穴があったら入りたかった失敗も一度二度ではありません。

ところで、アルコールの多量摂取は腎臓病の原因になるなど、腎臓に対する潜在的なリスクも存在します。そこで、本記事では、腎臓を労わる健康的な飲酒のコツと方法について詳しく探求していきます。

まず言っておきたいのは腎臓病があったり、腎臓が心配であったりしても完全にアルコールを控える禁酒する必要はないことは申し上げておきます。

ですが、腎臓は、体内の不要な老廃物や余分な液体を排出する重要な役割を果たしていますから、腎臓に不安があれば、アルコール摂取は慎重に考える必要があります。

しっかり飲酒のメリットとデメリットを理解し、健康を守るための知識を身につけていただこうと思います。また、アルコールの適切な量や飲み方についても解説いたします。

腎臓の健康を守るために、アルコールの摂取について正しい情報を知り、賢い飲酒の習慣を身につけて、将来の健康に対する不安を減少させ、幸せな生活を実現してください。


飲酒のメリットとデメリット

アルコールには、楽しい時間を過ごすためのメリットがありますが、同時に腎臓以外にも悪影響を及ぼす可能性があります。

メリット

– アルコールを飲むことで、リラックス効果ストレスの軽減が期待できます。

– 場の空気を替えるためにお酒を楽しむのも一般的です。

デメリット

高血圧や脳卒中、心臓病などのリスクが増加します。

尿酸値の上昇から痛風を引き起こす危険があります。

腎臓、肝臓に対して負担をかける場合があります。

腎臓病とアルコールの関係性と影響

アルコールの過剰摂取は腎臓に悪影響を及ぼす可能性があります。腎臓の健康を守るためには、適度な摂取量を守ることが重要です。

大阪大学の研究によると、1日あたり「純アルコール換算で60g(ビールロング缶3本、日本酒3合に相当)以上」の大量飲酒は、男性の腎機能低下のリスク因子となることが明らかになりました。 (https://www.mdpi.com/2072-6643/15/6/1540

適量の飲酒は腎機能の低下を予防する!?

一方で、適量の飲酒はむしろ腎機能低下予防につながる可能性があるという、面白い見解も示されています。

その適量とは、ビールロング缶1本、日本酒1合相当(各純アルコール約20g)の適度の飲酒だそうです。(詳しくは下記の「適度な摂取量」の章をご覧ください)

もちろん、アルコールを少しでも飲み過ぎると、この効果は打ち消されてしまいます。酒飲みは一旦飲み始めれると、やめ時を守るのに苦労しますので、ご注意を。

アルコールを毎日、20gを超えて飲み続けている人では、腎機能は低下し、さらには30%以上も腎機能低下のリスクが上昇しますから、この点を忘れないでください。

「今回の研究で、大量の飲酒が腎機能に及ぼす影響を明らかにした。アルコールの飲み過ぎを抑制し、適度な飲酒を推奨することによって、腎臓病の予防、さらには増加の一途を辿る透析患者数の抑制に繋がることが期待される」と、研究者は述べています。

アルコール性腎症

日本腎臓学会によると、アルコールの大量摂取が原因で起こる「アルコール性腎症」という病気が存在するそうです。

この病気は、アルコールが腎臓に与える直接的な影響によって引き起こされるもので、肝臓への負荷の増加や高血圧の発症による腎臓への血流の低下が主な要因とのこと。

最近は聞かなくなりましたが、大学生などの一気飲みなどは危険極まりないのがこのことからもわかりますね。

腎臓の痛みイメージ
腰の痛み、腰の痛み実は腎臓の不調かも

尿酸値の上昇

さらに、アルコールの過剰摂取は尿酸値の上昇を引き起こすこともあります。

尿酸は体内で生成される代謝物質であり、過剰な摂取によって尿酸結晶が形成・蓄積されると皆さんもよくご存知の尿路結石や痛風という病気を引き起こす可能性があります。

痛風は腎臓にも影響を与えるため、尿酸値が高めの方は、さらに数値を上昇させないようにアルコールの摂取は慎重に行なってください。


適度な摂取量は

腎臓の健康を守るためには、アルコールの適度な摂取が重要です。

日本人の「適度な飲酒」は、男性で純アルコール量が1日に20~25gぐらいまでだと考えられています。女性の場合は男性より少し少なくなります。

純アルコール量20gは、以下の量に相当します。

ビール(ロング缶)1本 (500mL)
チューハイ(レギュラー缶)1本 (350mL)
日本酒1合(180mL)
焼酎1杯 (100mL)
ワイン2杯 (120mL)
ウイスキー2杯 (60mL)

アルコールの摂取量を制限することによって、アルコール性腎症や痛風などの腎臓疾患のリスクを減らすことができます。

また、定期的な検査や腎臓に負担をかけない生活習慣の見直しも腎臓の健康維持に役立ちます。

アルコールの種類を選ぶヒント

お酒はアルコール濃度の違いだけでなく、糖質、カロリーにも違いがあります。

そこで、お酒の種類や摂取量によって腎臓への影響は異なってきます。はたして腎臓にいいお酒とかあるのでしょうか。気になるところですよね。

そんなことを含めて、注意点をいくつか挙げてみましょう。

ビール

 「ビールは他のお酒よりプリン体が多いので、痛風になりやすい」という話を聞いたことはありませんか?

なかには尿酸値が気になるからビールから焼酎に切り替えたという人も多いようです。でも、本当にビールが痛風の原因なのでしょうか?

アルコール飲料100g中のプリン体含有率

ビール5.7mg
日本酒1.5mg
ワイン0.4mg
ウイスキー0.1mg
焼酎0.1mg
アサヒビール(株)分析研究所による

上の表のように、確かにビールは、ウィスキーや焼酎などの蒸留酒に比較すると桁違いの多さです。

でも、実際には通常の食品の中に含まれるプリン体の方がはるかに多いんです。

食品100g中のプリン体含有率

                食品名プリン体含量
(mg/100g)
煮干し、かつお節、干ししいたけ、鶏レバー、丸干しいわし、豚レバー、大正エビ、まあじ、牛レバー など特に多い食品
100~400
まいわし、かつお、車エビ、大豆、牛心臓、するめいか、にじます、生さんま、あさり など多い食品
50~100
コンビーフ、焼きちくわ、えのきたけ、ほうれんそう、ベーコン、プレスハム、カリフラワー など少ない食品
20~50
鶏卵、野菜、果物、コーヒー、牛乳、プロセスチーズ、すじこ、小麦粉、かずのこ、ごはん、焼きかまぼこ などほとんど
含まない食品
0~20
痛風 痛みと尿酸を抑える:細谷龍男著、法研発行、1994

ということで、ビールを過度に悪者扱いする必要はなく、むしろ食事の時の食べ物からの摂取量を気にするべきというのが結論です。

ただし、摂取量には常に注意が必要です。ビールはアルコール度数が低めですから、ついつい飲み過ぎる人も多いですからね。

問題なのは、お酒に含まれるアルコールそのものに、体内での尿酸合成を促進したり、排泄を阻害したりする作用があることです。

ですから、過剰なアルコール摂取は腎臓に負担をかけ、高血圧や尿細管の損傷などのリスクが増加する可能性があるだけでなく、血中尿酸値を上昇させるのです。(「尿酸値の上昇」の章参照)

ビールに限らず、ウィスキーや焼酎も体内で尿酸の合成を促進します。ですから、重要なのはお酒の種類ではなく、アルコールの摂取量、つまり酒量なんです。

飲酒量を控えることや休肝日を設けることが推奨されているのは、そのためということですね。

ワイン

一時期、“赤ワインは体に良い”という考えが広まりましたが、知っている方も多いですよね。

フランス人は、動物性脂肪をたくさん摂取するのにも関わらず、心血管系疾患の発生率が低いという特異な事実があります。

そのため、フランス人が頻繁に摂取する赤ワインには、心血管疾患を予防するかもしれないポリフェノールなどの抗酸化物質が多く含まれているから”赤ワインは体に良い”、という仮説が提唱されました。

そこで、私の知っている人の中にも糖尿病なのに赤ワインを大量に買い込んで悦にいって、毎日飲んでいた酒好きの方がいました。その後赤ワインで健康になったかは聞いていません……

いずれにしろ、この“赤ワインは体に良い”という説は未だに実証されていないようです。

赤ワインのポリフェノールは有名

蒸留酒(ウィスキーやウォッカなど)

   ウィスキーやウォッカなどの蒸留酒はプリン体の含有量は低いのですが、アルコール度数が高いですから、摂取量が多くなれば尿酸の形成だけに止まらず、腎臓や肝臓への影響も大きいと言えます。

   過度なアルコール摂取は腎臓への負担が増え、尿中のタンパク質排泄量を増加させるのでやはり酒量は控えめにしましょう

カクテルやリキュール

カクテルやリキュールは甘い飲み物に含まれることが多く、糖分の摂取に注意が必要です。

過剰な糖分摂取は糖尿病や肥満を悪化させ、これが腎臓に悪影響を及ぼす可能性があります。

日本酒

今や日本は世界中に知れ渡り、輸出量も年々増加しています。また、酒造メーカーも、日本酒に含まれる成分が健康に良いと盛んに宣伝しています。

確かに、日本酒には「食欲増進」「美肌」「血行促進」などの効果がある成分が含まれていることは事実です。

とはいってもやはりここでも酒量が重要。適量の摂取でこそその効果が期待できことをお忘れなく。

注意すべきこと

腎臓病を抱える場合、アルコールの摂取に関しては以下の点に注意することが重要です。

適切な量の摂取: アルコールの過度な摂取は腎臓に負担をかける可能性があるため、なによりも節度を持って摂取することが大切です。

個別の状態に合わせた判断: 腎臓病の進行度や他の健康状態によって、アルコールの影響は異なる場合があります。医師と相談しながら適切な判断を行いましょう。

摂取量の管理: アルコールの摂取量を記録し、摂取の頻度や量を把握することで、腎臓への影響を管理しやすくなります。

最終的に、腎臓病を持つ方あるいは腎臓に関す数値が心配な方は医師や栄養士のアドバイスを受けつつ、個々の状態に合わせた適切なアルコール摂取を心がけることが大切です。


腎臓に優しい健康的な飲酒のコツと方法

アルコールの摂取は、腎臓の健康に悪影響を及ぼす可能性があることは再三述べてきました。しかし、適切な摂取量や注意点を守ることで、健康的な飲酒が可能です。

腎臓の健康を守るためには以下のポイントに気をつけましょう。

適量を守る:腎臓に負担をかけないためには、1日に摂取するアルコール量を控えめにすることが重要です。男性の場合、1日に20g以下、女性の場合は10g以下を目安にしましょう。

血中尿酸値の上昇に注意アルコールの摂取は、血中尿酸値を上昇させる要因の一つです。高尿酸血症や痛風の方は、アルコールの摂取量を制限する必要があります。腎臓の健康を守るためにも、適度な摂取量に留意しましょう。

最も大切なのは「主治医の判断」

腎臓の状態によっては、医学的見地からお酒を制限または禁止される場合があります。

腎臓の病気や合併症がある場合は、主治医と相談し、飲酒の可否を確認してください。

主治医の指示に従うことが、腎臓の健康を守る第一歩です。

タンパク質と水分に気をつける

腎臓の健康を守るためには、タンパク質や水分の摂取に注意が必要です。

適切な量のタンパク質を摂取することで、腎臓への負担を軽減することができます。また、適度な水分摂取も大切です。

水分補給を忘れずにしましょう。誤解している人が多いのですが、アルコールでは水分補給になりません。逆にアルコールは利尿作用があるため、水分が不足しやすくなります。

飲酒の際には、水分補給を意識し、こまめに水を摂るようにしてください。水分補給により、腎臓の負担を軽減することができます。

重要:腎臓病の症状によってはタンパク質や水分制限される場合もあります。タンパク質や水分制限があれば、主治医に相談してアドバイスを受けてください。

腎臓によいおつまみ、注意すべきおつまみは

腎臓に優しいおつまみを選ぶことも重要です。

野菜のスティックや豆類のおつまみなど、低脂肪で栄養価の高いものを選ぶようにしましょう。

逆に注意すべきはポテトチップなどのスナック類は高脂肪であり、腎臓に負担をかける可能性があります。

日本酒に合う和食は高タンパク・低脂肪なものが多く、つまみとして理想的ですね。

日本酒イメージ
日本酒にも低脂肪で塩分控えめなつまみを

「食べすぎ」に要注意!

おつまみで注意すべきなのは、種類よりも食べ過ぎです。

特に高脂肪や高コレステロールのおつまみは、腎臓に負担をかける可能性があります。適度な量のおつまみとバランスの取れた食事を心掛けてください。

カロリー量も問題です。

アルコール類は種類によってカロリー量にも差があります。

そこで、日本酒はカロリーが高いからと言ってビールに代える人も多いですね。

でも、ビールは喉越しの良さから飲むスピードが上がり、酒量が増えがち。それに釣られておつまみを大量に食べてしまえば、意味がないですよね。

お酒そのもののカロリーよりも、おつまみの食べ過ぎが一番の問題なのです。

お酒も肴もお代わりしない

適度な摂取量を守ることが、腎臓の健康を守るポイントですから、お酒を飲む際には、飲み過ぎに注意が必要だと何度も述べてきました。

酒量については、飲み始める前にしっかり飲む量を決めておくことです。それを守るにはお代わりは控えるようにしましょう。

自制するばかりでなく、自ら健康に気をつけていることを周りに宣言してしまうことも効果的です。

あなたの体を心配してくれる人であれば、ほろ酔いから暴走しそうなあなたをとめてくれるはずです。

腎臓疾患のリスクを減らす

腎臓疾患のリスクを減らすためには、 アルコールの摂取量を減らすだけでなく、以下のようなポイントに気をつけることが重要です。

– 適度な運動を心がける。

– 塩分の摂取を控える。

– ハイリスクな食品や飲料の摂取を避ける。

健康な腎臓を維持するために心がけてほしいのは、アルコールを適度に楽しむことと、バランスの取れた食事や生活習慣を心がけることです。

重要なのは自己管理と適度な摂取量

以上のようなポイントに気を付けることで、腎臓に優しい健康的な飲酒が可能です。自己管理と適度な摂取量を意識し、主治医の指示に従うことが重要です。

飲みすぎは腎臓に負担をかけるだけでなく、肝臓など他の臓器にも悪影響を及ぼす可能性があります。

お酒を楽しみながら、腎臓や他の臓器の健康を守りましょう。


まとめ

アルコールの摂取は、腎臓の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な摂取量や注意点を守ることで、健康的な飲酒が可能です。

腎臓の健康を守るためには、自己管理と適度な摂取量を意識することが大切です。特に、水分補給や血中尿酸値の上昇に留意することをおすすめします。

いずれにしても、腎臓にとって多量飲酒は厳禁です。 アルコールの摂取を楽しむ際には、腎臓の健康を守るための知識を持ち、適切なケアを行いましょう。


腎臓と食べ物の関係についてはこちらの記事も参考にしてください。


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