「健康診断や人間ドッグで腎臓の数値がかんばしくない」
「栄養士の栄養相談を受けたけれど、いまいちピンとこなくて忘れてしまった」
「でも、食べて良いもの、食べてはいけないものは気になる」
そんなあなた、特定の食品が腎臓に負担をかける可能性がありますから、心配ですよね。
実は栄養指導をしていてもそんな方が多いんですよ!
そこで、
腎臓病患者や腎臓の健康を気にかける人に、どのような食品が腎臓に悪影響を及ぼすかをわかりやすくお伝えします。
まず、特定の食品を避けることで、腎臓の状態を改善し、進行を抑えることが可能となります。
さらに、ダイエットの調整、適切な栄養バランスを保つために、何を摂取して何を避けるべきか、腎臓病に対応する食事内容の調整の仕方を学んでください。
腎臓病になってしまうと、腎臓の機能低下によって体内の一部の栄養素がうまく排出されない可能性があります。
それを避けるために、食品の選択や栄養バランスを調整して、腎臓機能への負担を軽減する方法が大切だからです。
そういった役立つ情報を集め解説しています。
腎臓に影響するたべものは
腎臓病の進行を抑えるためには、腎臓に負担をかける栄養素を避けることが重要です。主な影響を及ぼす栄養素には、タンパク質、ナトリウム、カリウムがあります。
タンパク質
タンパク質は消化される際にアミノ酸に分解されますが、このアミノ酸は老廃物として腎臓を通じて排泄されます。
腎臓機能が低下しているような時には、腎臓の負担を軽減するために、適切な量に制限してタンパク質を摂取する必要があります。
ナトリウム(塩分)
一方、ナトリウムは体内の水分量を調節するために重要ですが、摂りすぎると余分な水分が体内に貯まりやすくなります。
腎臓の負担を軽減するためには、ナトリウムの摂取を制限する必要があります。
カリウム
カリウムは正常な神経や筋肉の機能に不可欠ですが、腎臓機能が低下すると、血液中のカリウム濃度が上昇しやすくなります。
高カリウム血症は重篤な症状を引き起こすことがあるため、適切なカリウムの摂取量を調整する必要があります。
腎臓病でもお菓子は食べたい。でもがまんしなければいけないの?そんな方はこちらの記事を参考に↓
避けるべき食品
腎臓病患者さんや腎臓の健康を気にかける人は、以下の食品を避けることが推奨されます。
高タンパク質食品(肉、魚、卵など)
タンパク質は体内で老廃物となるため、腎臓への負担を増やす可能性があります。タンパク質は体を作る上で大切な栄養素ですから、いっさいタンパク質をとるなと言うことではありません。
ですから、腎臓病患者さんは適切なタンパク質の摂取量を把握し、過剰な摂取を避けるようにしましょう。医師や管理栄養士から指示がある場合には、それに従うことです。
ナトリウム(塩分)の多い食品(加工食品、スナック菓子など)
塩分はナトリウムの摂取量に直結します。腎臓病患者さんは、塩分の多い食品を控えることでナトリウムの摂取量を制限する必要があります。
具体的には、加工食品やスナック菓子などは塩分が多く含まれているため、できるだけ摂取を控えましょう。
カリウムの多い食品(バナナ、トマト、レーズンなど)
腎臓病の方はカリウムの摂取量にも注意が必要です。カリウムは心臓の動きや神経の伝達に関わるため、過剰摂取すると問題が起こる可能性があります。
バナナやトマト、レーズンなどのカリウムの多い食品は、適量に抑えるようにしましょう。
カリウムの調整についてはこちらの記事も参考にしてください。
食べ方の工夫
腎臓病に対応する食事内容を調整するためには、以下のような工夫が役立ちます。
タンパク質量の調整
医師や栄養士と相談し、適切なタンパク質量を把握してください。
高タンパク食品に加えて、加工肉や添加物の多いハム・ソーセージなどを避けて、必要な量を良質なタンパク質から摂取しつつ、腎臓に負担をかけないようにすることが大切です。
塩分量の調整
食事の塩分量を制限する工夫は、日常生活の心がけ次第で豊富にあります。
1. 食材選びの工夫
加工食品や缶詰、スナック類、即席食品などは塩分が多く含まれていますので、これらの食品はなるべく控えるか、選ぶ際に注意しましょう。
新鮮な食材を優先すること。新鮮な野菜や果物、魚などの自然な風味を楽しむことで、塩分を多く含む加工調味料の使用を減らすことができます。
2. 調理法の工夫
出汁を使ったり、ハーブやスパイス、酢、レモン汁などを利用して風味を出すことで、塩分を抑えた料理が楽しめます。
3. 調理時の塩加減に注意する
料理の調理中に塩を加える際は少量から始め、徐々に加えて味を調整することを心がけます。また、減塩食品や減塩醤油などの調味料を活用もお勧めです。
4. 食事全体のバランス
バランスの取れた食事は健康な腎臓の維持に重要です。異なる食材をバランスよく摂ることで、塩分摂取量のコントロールがしやすくなります。
5. 栄養成分表示の確認
食品のラベルには塩分(ナトリウム)の含有量が記載されています。成分表示を確認することを習慣づけして、塩分の多い食品を選ばないようにしましょう。
カリウムの調整
カリウムの多い食品を制限するだけでなく、加熱調理や水にさらすことで一部のカリウムを減らすことも可能です。
カリウムの調整についてはこちらの記事も参考にしてください。
腎臓病食のレシピ紹介サイトのトップ5はこちらです。
以上が、腎臓病で避ける必要のある食品についての情報です。腎臓の健康を守るために、適切な食事内容と食べ方の工夫を心掛けましょう。
腎臓病に対応する食事内容を自ら調整することが難しいようなら、管理栄養士が監修して、腎臓病に配慮した献立になった宅配食を利用するのもお勧めです。
宅配食には多くのメーカーがありますが、当サイトでは治療食で定評のあるメディカルフードサービスをお勧めしています。
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腎臓のメカニズム
最後に、腎臓の役割とそのメカニズムに知っておくことも、正しい食生活をする上でのモチベーションになると思います。
ちょっと難しい話になりますが、なぜ食べてはいけないものがあるのかの理解につながりますので、お付き合いください。
まず、腎臓の働きとは何か?
腎臓は、私たちの体内で老廃物や余分な水分を取り除いてくれる大切な役割を果たしています。同時に、血圧や体液のバランスを調整する重要な臓器でもあるのです。
通常、腎臓は正常に機能していると、老廃物を含んだ尿が体外に排出されます。しかし、腎臓病ではこの機能が低下し、老廃物や余分な水分が体内に留まり、以下のような悪影響を体に及ぼす可能性があります。
高血圧
腎臓は体内の余分な塩分や水分を調整し、血圧を一定に保つ役割があります。腎臓の機能低下によって体内のナトリウムや水分が増えると、血圧が上昇するリスクが高まります。
貧血
腎臓は赤血球の生成に関与しています。腎臓機能が低下すると、赤血球の生成が減少し、貧血のリスクが高まります。
骨の健康悪化
腎臓はカルシウムとリンのバランスを調整し、骨の健康を維持する役割があります。腎臓機能の低下によってこのバランスが崩れると、骨の健康が損なわれる可能性があります。放置すると骨粗しょう症になりやすいので、注意が必要です。
尿毒症
腎臓病が進行すると、老廃物や毒素が体内に蓄積されるため、尿毒症と呼ばれる状態が引き起こされます。尿毒症は多くの健康問題を引き起こす可能性があります。
浮腫
余分な水分が体内に留まると、浮腫(むくみ)が発生する可能性があります。これによって体の一部が腫れたり、腫れたように見えたりすることがあります。
心血管疾患
腎臓病は心血管系にも影響を及ぼす可能性があり、心臓病や脳卒中などのリスクが増加することがあります。
このように、腎臓機能が低下することで、老廃物や余分な水分が体内に留まってしまい、結果として多くの健康問題が引き起こされる可能性があるのです。
早期の診断と、日頃の食生活を含めた適切な健康管理が重要なのが
お分かりいただけたと思います。