腎臓病食のポイント|摂取時に気をつけるべき3つの栄養素とは?|管理栄養士が解説

腎臓病食・摂取時に気をつけるべき3つの栄養素イメージ 腎臓病

腎臓病食のポイントでは、腎臓病の方が摂取に気をつけるべき3つの栄養素について解説します。腎臓病は腎臓の働きが低下し、体内の老廃物や余分な水分をうまく排出できなくなる病気です。このため、食事の中で特に注意が必要な栄養素が3つあります。

1.  タンパク質

2.  塩分

3.  カリウム

この記事では、これらの栄養素の制限や摂取の注意点について詳しく解説します。腎臓病の方やそのご家族にとって、正しい食事の選択は腎臓の健康をサポートするために欠かせません。ぜひ、この記事を読んで腎臓病食のポイントを学び、健康な生活を送りましょう。

腎臓病食で気をつけるべき3つの栄養素とは?

腎臓病で気をつけるべき3つの栄養素とは次の3つです。

1. タンパク質の制限腎臓病では、腎臓が老廃物をうまく排出できないため、タンパク質の摂取を制限する必要があります。摂りすぎると体内にタンパク質の代謝産物がたまり、腎臓への負担が増えます。適切な量のタンパク質を摂りつつ、余分な摂取を避けることが大切です。

2. 塩分の摂取量に気をつけよう腎臓病では、余分な塩分が体内に溜まり、血圧が上昇するリスクが高まります。血圧の管理が重要なため、塩分の摂取を制限することが推奨されます。加工食品や市販品の調味料には多くの塩分が含まれているため、食事の際には注意が必要です。

3. カリウムの摂取制限の重要性腎臓病では、腎臓がカリウムを正常に排出できなくなることがあります。カリウムの摂取量が過剰になると、心臓のリズムが乱れる可能性があります。したがって、カリウムを制限するために、高カリウム食品(バナナ、アボカドなど)の摂取を注意する必要があります。

これらの栄養素についての制限は、腎臓の負担を軽減し、病気の進行を遅らせるために重要です。ただし、具体的な摂取量や制限は、医師や栄養士と相談しながら個別に決める必要があります。適切な食事療法を実践することで、腎臓の健康をサポートしましょう。

腎臓病の食事療法で大切なタンパク質の制限

腎臓病では、腎臓が老廃物をうまく排出できないため、タンパク質の摂取を制限する必要があります。摂りすぎると体内にタンパク質の代謝産物がたまり、腎臓への負担が増えます。適切な量のタンパク質を摂りつつ、余分な摂取を避けることが大切です。

タンパク質の制限が腎臓病の食事療法で重要な理由を、腎臓の働きを使って説明します。

体内の老廃物と腎臓の働き

腎臓は私たちの体の中で重要な役割を果たしています。腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、体に必要な栄養や水分を再吸収する一方で、老廃物や余分な水分を排出し、体のバランスを保っています。でも、腎臓病になってしまうと腎臓の機能が低下し、正常に働くことができなくなります。

一方、タンパク質は体にとって重要な栄養素であり、私たちの身体をつくるために欠かせません。しかし、腎臓病ではタンパク質の代謝産物である尿素やクレアチニンなどの老廃物を排出することが困難になります。腎臓の機能が低下すると、これらの老廃物が体内に蓄積し、体に負担をかける可能性があります。

そのため、腎臓病の食事療法では、タンパク質の摂取量を制限することが重要になるのです。制限された量のタンパク質を摂ることで、腎臓にかかる負担を軽減し、老廃物の蓄積を抑えることができます。

腎臓病なんでもサイトからの引用
基礎知識 | NPO法人腎臓サポート協会 (kidneydirections.ne.jp)

タンパク質の制限

タンパク質の制限によって、腎臓にかかる負担を減らし、病気の進行を遅らせることができます。しかし、タンパク質は私たちの体をつくるために必要な栄養素でもあります。そのため、腎臓病の方は、医師や栄養士の指導のもとで適切な量のタンパク質を摂ることが重要なのです。

専門家のアドバイス

タンパク質の制限をする際には、タンパク質の摂取量を計算したり、タンパク質をバランスよく摂るための食事の工夫が必要です。具体的な摂取量や食事の組み合わせは個人によって異なりますので、専門家のアドバイスを受けながら適切な食事療法を行いましょう。

腎臓病食で塩分の制限がなぜ重要なのか?

腎臓病では、余分な塩分が体内に溜まり、血圧が上昇するリスクが高まります。血圧の管理が重要なため、塩分の摂取を制限することが推奨されます。加工食品や市販品の調味料には多くの塩分が含まれているため、食事の際には注意が必要です。

塩分の摂りすぎは腎臓や血管の負担になる

腎臓病の方にとって、食事における塩分の制限は非常に重要です。なぜなら、塩分の摂りすぎが腎臓や血管に悪影響を及ぼすからです。

私たちの体には、腎臓という大切な臓器があります。腎臓は体内の老廃物や余分な水分を排出し、血液中のバランスを保つ役割を果たしています。しかし、腎臓病では腎臓の機能が低下し、正常に働くことができなくなります。

塩分は、私たちが普段の食事で摂ることの多い成分です。しかし、腎臓病の方は塩分の摂りすぎに注意する必要があります。なぜなら、塩分の摂りすぎが血圧を上昇させ、腎臓や血管に負担をかけるからです。

体内の水分量の増加

塩分を摂りすぎると、血液中のナトリウム濃度が上がります。このナトリウムは、体内の水分量を調節するために重要な役割を果たしています。しかし、ナトリウム濃度が高くなりすぎると、体内の水分量が増えてしまいます。

腎臓の機能が低下している腎臓病の方は、この余分な水分を排出することが難しくなります。その結果、体内の水分量が増えると血圧が上昇し、腎臓や血管に負担がかかることになります。

腎臓病と血圧

さらに、高血圧は腎臓病の進行を加速させる要因ともされています。腎臓病の方は、血圧をコントロールすることが重要です。塩分の摂取を制限することで、血圧を下げ、腎臓の負担を軽減することができます。

専門家の指導の重要性

腎臓病の食事療法では、塩分の制限が重要なポイントです。塩分は私たちの生活に欠かせない味付けの一つですが、摂りすぎには注意が必要です。医師や栄養士の指導を受けながら、塩分の摂取量をコントロールしましょう。

塩分の少ない食事は味気なく感じるものですが、代わりに、ハーブやスパイスを使った味付けや、新鮮な食材を選ぶことで、食事のバラエティや美味しさを楽しむことができます。腎臓の健康を保つために、塩分の摂取制限を意識した食事を心がけましょう。

腎臓病食でカリウムの制限がなぜ重要なのか?

カリウムは体の中で重要な役割を果たしていますが、腎臓病では過剰な摂取が心臓のリズムを乱す可能性があります。カリウムを制限することで、体内のバランスを保ちましょう。

カリウムの働き

腎臓は、私たちの体内で老廃物や余分な水分を排出し、体のバランスを保つ役割を果たしています。しかし、腎臓病では腎臓の機能が低下し、正常に働くことができなくなります。

カリウムは、私たちの体にとって重要な栄養素です。カリウムは神経や筋肉の正常な働きに必要な栄養素であり、心臓の健康にも関わっています。

カリウムの排出がうまくできないと

腎臓病の方はカリウムの排出もうまくできなくなります。カリウムの摂りすぎると心臓にも負担をかける可能性がでてきます。

カリウムの過剰摂取によって、心臓のリズムが乱れることがあるからです。これは高カリウム血症と呼ばれる状態で、命に関わるリスクがあります。

ですから、腎臓病の方は、カリウムの摂取制限が必要でなのです。カリウムの摂取制限によって、腎臓にかかる負担を軽減すれば、心臓の健康を守ることにもつながります。

カリウム制限は専門家の指導のもとで行う

具体的なカリウム制限の方法は、やはり医師や栄養士の指導のもとで行われます。一般的には、高カリウムを含む食品の摂取を制限し、適切なカリウム摂取量を維持することが重要です。

カリウムの多い食品


カリウムの多い食品には、下記の表のようにバナナやいくつかの野菜、魚などがあります。これらの食品は、カリウムの摂取量を制限するために注意が必要です。適切な食事の組み合わせや調理法の工夫によって、カリウム制限を守りながら栄養バランスの取れた食事を摂ることができます。

   食品         標準量           カリウム含有量   
1. バナナ 中サイズのバナナ1本 約400-450mg
2. ジャガイモ   中サイズのジャガイモ1個    約900-1,000mg  
3. アボカド 中サイズのアボカド1個 約700-800mg
4. さつまいも 中サイズのさつまいも1個 約500-600mg
5. ほうれん草 生のほうれん草100g 約500-600mg
6. 鮭 約100gのサーモン 約300-400mg
カリウムの多い食品例

参照:栄養素辞典 | 日本人の食事摂取基準に対応 (lifestyle-habit.com)

その他にも、レンズ豆、バターナッツかぼちゃ、キウイフルーツ、柑橘類、ヨーグルトなどもカリウムを多く含む食品です。

腎臓病の食事療法では、カリウムの摂取制限が重要なポイントです。カリウムは私たちの体にとって必要な栄養素ですが、腎臓病の方にとっては摂りすぎることが身体の負担となることがお分かりいただけましたか。

適切なカリウム制限を守りながら、腎臓と心臓の健康を守るために、専門家の指導を受けながら食事療法を行いましょう。

腎臓病食に特化したレシピサイトのトップ5をまとめました。こちらも参考にしてください。

水分摂取のバランスも腎臓病の食事療法では重要

腎臓病の方にとって、食事における水分摂取のバランスは非常に重要です。なぜなら、適切な水分摂取のバランスを保たないと腎臓や血管、心臓へ大きな影響があるからです。

腎臓は体内の老廃物や余分な水分を排出し、体のバランスを保つ役割を果たしています。しかし、腎臓病では腎臓の機能が低下し、正常に働くことができなくなります。

その結果、体内の水分量が増えて、血液量も増加します。すると心臓が多くの血液を身体中に送り出すために血圧が上昇しがちになります。

高血圧は、腎臓や血管に負担をかけ、心臓の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。ですから腎臓病の方は、血圧をコントロールすることが重要です。

水分の摂取量をバランス良く調整することで、腎臓への負担を軽減し、血圧の上昇を防ぎましょう。

また、飲み物だけでなく、食事に含まれる水分にも注意が必要です。野菜や果物には多くの水分が含まれているので、腎臓病の方は、医師や栄養士の指導のもとで適切な水分摂取量を設定し、摂取のバランスを保つように心掛けましょう。

リンの摂取制限が腎臓病の食事療法でなぜ重要なの?

腎臓病の方にとって、食事におけるリンの摂取制限も忘れてはいけません。なぜなら、リンの摂りすぎが腎臓や他の器官に悪影響を及ぼすからです。

リンの働きと腎臓病

リンは、私たちの体にとって必要な栄養素です。リンは骨や歯の形成に関与し、エネルギー代謝や細胞機能の維持にも重要な役割を果たしています。

問題は腎臓病の方はリンの排出がうまくできなくなることです。

高リン血症

リンの摂りすぎは、腎臓や他の器官に負担をかける可能性があります。腎臓の機能が低下していると、リンが体内に蓄積し、血液中のリン濃度が上昇します。

この高リン血症と呼ばれる状態は、腎臓病の方にとって特に重要な問題です。高リン血症は、血管の壁にカルシウムと結合し、血管の硬化や石灰化を引き起こす可能性があります。

この状態は血管の健康に悪影響を与え、心臓の健康にも深刻なリスクをもたらします。

腎臓病の方は、リンの摂取制限が必要です。リンの摂取制限によって、腎臓にかかる負担を軽減し、高リン血症のリスクを低減することができます。

具体的なリン制限の方法は、医師や栄養士の指導のもとでリンが多く含まれる食品の摂取を制限し、リンのバランスを保つことです。

腎臓病の方は、リンの摂取制限に注意しながら、栄養バランスの取れた食事、適切な食事の組み合わせや調理法の工夫によって、リン制限を守りながら健康な生活を送りましょう。

まとめ

たんぱく質

腎臓病の食事療法では、タンパク質の制限が重要なポイントです。タンパク質は体にとって重要な栄養素ですが、腎臓病の方にとっては摂りすぎることが負担となります。適切な量のタンパク質を摂りながら、腎臓の負担を軽減することが健康な生活を送るための一歩です。

塩分

塩分は、私たちが普段の食事で摂ることの多い成分です。しかし、腎臓病の方は塩分の摂りすぎに注意する必要があります。なぜなら、塩分の摂りすぎが血圧を上昇させ、腎臓や血管に負担をかけるからです。

カリウム

カリウムの過剰摂取によって、心臓のリズムが乱れることがあり、これは高カリウム血症と呼ばれる状態で、命に関わるリスクがあります。ですから、腎臓病の方は、カリウムの摂取制限が必要です。カリウムの摂取制限によって、腎臓にかかる負担を軽減すれば、心臓の健康を守ることにもつながります。

カリウムの摂取制限の詳細はこちらの記事をご覧ください。

水分

水分の過剰摂取は高血圧を引き起こします。高血圧は、腎臓や血管に負担をかけ、心臓の健康にも悪影響を及ぼすことが知られています。ですから腎臓病の方は、血圧をコントロールすることが重要です。水分の摂取量をバランス良く調整することで、腎臓への負担を軽減し、血圧の上昇を防ぎましょう。

リン

腎臓病の食事療法では、リンの摂取制限が重要なポイントです。リンは体に必要な栄養素ですが、腎臓病の方にとっては摂りすぎることが負担となります。適切なリン制限を守りながら、腎臓や他の器官の健康を守るために、専門家の指導を受けながら食事療法を行いましょう。

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